・・・#PV-MX07J

<Marlux Record 日本むかしばなしシリーズ>


(DBS-1001~1005)は、1970年前後に「マーレックスレコード(Marlux Record)」が制作した、
日本製ピクチャー盤の代表作です。

透明PVCで挟み込む“三層サンドイッチ構造”は、
当時日本の数社だけが保有していた特許技術で、外周にはその証として 

“COLOR RECORD IS GENUINE JAPANESE INVENTION OF SPECIAL AND ADVANCED MODERN METHODS…”

という表記が全5枚に刻まれています。



語りと歌は、中村メイコ。
当時の童話レコードとしては、とてみ贅沢なキャスティングで、
音楽性・演出ともに教材レコードの中では突出した内容を持っています。

5作品は、「いずれも基本の日本むかしばなし」で構成され、
DBS-1001 ~ 1005の連番で完結する極めて珍しい「全5枚セットシリーズです。

現在では市場流通が極端に少なく、
まとまった形で現存する例はほぼ確認されていません。

PicVinyl.jp では、本シリーズを
「教育用ピクチャー盤史における重要資料」と位置づけ、
作品詳細とともにアーカイブとして紹介します。

シリーズリスト(全5作品)
1 DBS-1001 花さか爺い 歌+物語(中村メイコ)
2 DBS-1002 かぐや姫 歌+物語(中村メイコ)
3 DBS-1003 一寸法師 歌+物語(中村メイコ)
4 DBS-1004 養老の滝 歌+物語(中村メイコ)
5 DBS-1005 いなばの白うさぎ 歌+物語(中村メイコ)


製造情報
  • メーカー:Marlux Record(マーレックスレコード)

  • 技術区分:日本独自特許による “ピクチャー盤サンドイッチ構造”

  • 回転数:33 1/3 RPM

  • 構成:両面フルカラー印刷封入、透明PVC外周

  • 録音:中村メイコ(うた・ものがたり)

  • 年代:1970年前後(推定)

  • 製造国:日本




本シリーズの意義

本シリーズは、
「日本のピクチャーレコード技術が世界の最先端であった時代」
の空気をそのまま封じ込めた作品です。

  • 教材用でありながら“高音質・高印刷品質”

  • 中村メイコによる豪華な朗読

  • 多様なイラストレーターによる作風の違い

  • 連番5作品で完結するシリーズ構成

  • 特許クレジット入りの本格的ピクチャー盤

こうした条件が揃った例は非常に少なく、
アーカイブとしての資料価値は高い と言えます。

PicVinyl.jp では、本シリーズをPicVinyl Inner 7 に収納して
「教育用ピクチャー盤アーカイブ(PV- MX07J)」
として整理し、美術館的なアプローチで後世に残していきます。




DBS-1001:花さか爺い

Marlux Record が制作した日本昔ばなしピクチャー盤。
中村メイコによる歌と語りで、明るい色彩と動きのあるシーンが印象的

「花さか爺い」は、シリーズの開幕にふさわしい華やかな一枚です。
桜色の背景に老夫婦と犬が描かれたSIDE-A、
山里で宝物を掘り当てるシーンを描いたSIDE-B。
物語の躍動感がそのまま盤面に広がり、
中村メイコの柔らかい歌声と語りが、童話の温かさを引き立てています。






本作は、Marlux Record が手がける日本むかしばなしシリーズの第一作。
“花を咲かせる”という象徴的な表現を、優しい色遣いで視覚化した美しい盤面です。
SIDE-Aでは老夫婦と犬の穏やかな表情が描かれ、
SIDE-Bでは物語のクライマックスである“宝を掘り当てる”場面が鮮やかに描かれています。

音声は中村メイコによる歌・語り。
情景に寄り添う声の演技で、ピクチャー盤の魅力を最大限に引き出しています。
教材用でありながら高品質な印刷と特許技術による透明構造を採用しており、
シリーズ中でも特に完成度の高い作品です。




DBS-1002:かぐや姫

竹取物語をモチーフにした美しいピクチャー盤。
中村メイコの語りが作品世界を華やかに彩る。

SIDE-Aの“竹から生まれた姫”の場面、
SIDE-Bの“月への帰還”の幻想的な構図など、
本作はシリーズ中でも絵柄の完成度が高く、アートとしての価値も十分。
音声は中村メイコが柔らかい語り口で物語を紡ぎ、
古典童話の魅力を子どもにも分かりやすく伝えています。





古典「竹取物語」を題材にしたピクチャー盤。
SIDE-Aは老夫婦が竹から生まれた姫を迎える温かな場面で、
配色のバランスが良く、視覚的にも落ち着いた美しさがあります。
SIDE-Bは月の使いが降りてくる名シーンが描かれ、
浮遊感のある色彩と構図は、当時の教材盤としては異例の完成度。

音声は中村メイコによるもの。
やわらかで温度のある声は子ども向けながら大人も楽しめる品質で、
“聞いて楽しむ”だけでなく、“眺めて味わう”レコードとして価値が高い作品です。




DBS-1003:一寸法師

躍動感あふれるイラストが魅力。
勇ましい一寸法師の姿が盤面に力強く描かれた作品。

SIDE-Aの“大鬼への挑戦”、
SIDE-Bの“お椀の船に乗る法師”の構図など、
シリーズ中で最も動きのあるデザインが特徴。
中村メイコの語りはテンポが良く、冒険物語の魅力が際立っています。






「一寸法師」は、本シリーズの中でも特に動きのあるアクション性が強い一枚。
SIDE-Aでは、鬼の大きな顔と法師の勇敢な姿が対比的に描かれ、
荒々しい線画が童話の“戦い”の側面を巧みに表現しています。
SIDE-Bは一転して穏やかな構図で、法師がお椀の舟に乗り旅立つ象徴的なシーン。

音声の語りと歌は中村メイコ。
場面ごとにテンポを変えた語り口が、子ども向け教材の枠を超えた秀逸な仕上がりです。
視覚的にも聴覚的にも“冒険”を体験できる、シリーズ屈指の人気作と言えます。



DBS-1004:養老の滝

親孝行をテーマにした感動的な昔話。
叙情的な色彩のイラストが特徴。

SIDE-Aの“ひょうたん”を中心にした印象的なデザインと、
SIDE-Bの“森と滝の情景”が美しく、
本シリーズの中でも絵画的完成度がひときわ高い一枚。
中村メイコの語りは静かで、物語の余韻を丁寧に伝えています。






「養老の滝」は、親孝行の精神を描いた名話をピクチャー盤化したもの。
SIDE-Aのひょうたんを中心に据えた大胆な構図や、
SIDE-Bの滝・森・青年の表情など、イラストレーターの個性が強く現れた作品です。
色彩は深みがあり、絵本に近い芸術性を持っています。

音声は中村メイコの落ち着いた語り。
物語の情緒を損なわない丁寧なテンポで語られ、
静かな感動が余韻として残る一枚です。





DBS-1005:いなばの白うさぎ

鮮やかな色彩が魅力の一枚。
白うさぎの表情が印象的な人気作。

シリーズ中で最も色彩のコントラストが強い作品。
SIDE-Aの神話的な構図、
SIDE-Bの“少女と白うさぎ”の場面は芸術性が高い。
中村メイコの語りは軽やかで、物語の神話性と優しさを両立させています。






「いなばの白うさぎ」は、原典が“古事記”ということもあり、
シリーズ中で最も神話的・象徴的な作風が特徴です。
SIDE-Aでは海と白うさぎ、巨大なサメのような神話生物が描かれ、
大胆な配色と独特のタッチで強い印象を残します。
SIDE-Bは一転して穏やかな場面で、少女と白うさぎの関係が柔らかく表現されています。

中村メイコの語りは明るく伸びやかで、
神話を“こわくない物語”として親しみやすく伝える工夫が感じられます。
視覚・聴覚の両面で印象に残る、シリーズの締めくくりにふさわしい一枚です。











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